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          2002年
          県大会 
          
          
           
          
          
          <動 機>
           
          
          
          日本武術連盟主催の県大会が秋に催される。私の通ってる団体は武術連盟に加入していない。
           
          
          
          だから、大会に参加することは「裏切り行為」ともとられかねない。
           
          
          
           
          
          
          でも、参加したいという人を止めたりもしない。たてまえは「自由」である。
           
          
          
          でも、暗黙に「非難」している。私はそう感じている。
           
          
          
           
          
          
          「第三者は私の太極拳をどう、評価するのか知りたい」
           
          
          
           
          
          
          大会でなら、点数で採点され正当に評価が出されるのではないか・・・
           
          
          
          私はそう思っていた。
           
          
          
          実は、私はこういった「競技大会」を見学したことすらなかった。
           
          
          
          出場した人の話では「部外者が成績をあげるのは厳しい」といわれていた。
           
          
          
          私には「連盟」の裏の話はまったくわからない。
           
          
          
           
          
          
          ただ、単純に「第三者は私の太極拳をどう、評価するのか知りたい」と思っていた。
           
          
          
           
          
          
          県大会で優秀な成績であれば、全国大会へ行ける。
           
          
          
          「だいたいのメンバーは決まってるのよ」
           
          
          
          「審査員は東京からいらっしゃるんじゃないんですか?」
           
          
          
          「違うのよ。内輪の審査なのよ!」
           
          
          
          自分が入り込む余地がないことを知らしめられたようで、だんだん暗くなってきた・・・
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
          
          
          <練 習>
           
          
          
          望みがないといっても、元々実力ないのだから気落ちすることもない。自分の太極拳をするだけ。
           
          
          
          媚びることもないし、成績度外視で楽しむのも悪くない。
           
          
          
           
          
          
          私の課題は大きくふたつ。
           
          
          
          (1)元の位置に戻る、4分以内の套路を作る。
           
          
          
          (2)タイムを計る。
           
          
          
          套路に関しては、楊式らしさに重点を置いて、苦手な穿唆と蹴りをなくした。
           
          
          
          かわりに搬蓮を入れてリズムの緩急を整えた。
           
          
          
          始めた位置に戻ってこれるようにするのも、忘れてはならない。
           
          
          
          初めてのことばかりで難しかったが、楽しい作業だった。
           
          
          
           
          
          
          夕方4時から5時。毎日河原で練習した。
           
          
          
          自主トレを頻繁にするようになって感じたことがある。
           
          
          
          私はこれまで準備体操なしに、すぐに套路練習に入っていた。42式の時も、剣の時もそうだった。
           
          
          
          一回目が準備体操代わりに軽くしていたのだ。
           
          
          
          しかし、この頃は準備体操と整理体操の必要を感じるようになったのだ。
           
          
          
          準備のストレッチをしてから、套路の練習を1時間ほど河原に・・・。
           
          
          
          真っ赤な夕陽を眺めながらの、晩秋の河原は実に気持ちよかった♪
           
          
          
           
          
          
            
          
          
          2003年3月撮影
           
          
          
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
          
          
          <服 装>
           
          
          
          中国服の上下なら何着か持っているが、私は表演服を持っていない。
           
          
          
          その「普通の中国服」の袖にホックをつけてすぼめて、ズボンの裾にゴムを入れて表演服にした。
           
          
          
          昔の中国人が履いていた、底が刺し子になってる中国靴なら持っているが、太極拳シューズも持っていない。
           
          
          
          カンフーシューズもある・・・
           
          
          
          でも、競技では履けない。
           
          
          
          結局、いつも教室で履いている、その正体は「中学の時の上履き」を代用した。
           
          
          
          それにしても、中国服にしても刺し子靴、カンフーシューズは、いつ日の目をみるんだろう?
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
          
          
          <本 番>
           
          
          
          体に馴染むまで練習したつもりだが、少しでも油断して気を抜くと時間オーバーしてしまう。
           
          
          
          私は3分の合図までに進んでいなければならない所もチェックしておいた。
           
          
          
          でも、いざ本番でうまく聞き取れるかどうか、想像もできない・・・。
           
          
          
          「普段の練習の通りにできれば、それが私の今の100%の力」と考えていた。
           
          
          
          今の私にできることは全てしてきたつもりだ。
           
          
          
          迷いは禁物。
           
          
          
           
          
          
          1コート2人が同時に始める。
           
          
          
          だけど、私は奇数人数の最後だったので、ひとりの表演になった。
           
          
          
          それに、楊式自選は私ひとりで、あとは88式自選の選手ばかりである。
           
          
          
          みんなに気の毒がられたが、私は、ひとりの表演の方が気が散らないので、むしろありがたいくらいに考えていた。
           
          
          
           
          
          
          始めの合図、旗が下ろされた。
           
          
          
          緊張はない。
           
          
          
          何度も河原で繰り返してきたことだ。
           
          
          
          秋の夕陽を見ながら気持ちよく練習してきた套路だ。
           
          
          
          私ひとりで作った私だけの楊式4分間。
           
          
          
          楊式へのこだわりを強調しないように無難にまとめた所もある・・・
           
          
          
          譲らなかった動きもある・・・
           
          
          
          これが、今私にできることです。
           
          
          
          収勢。
           
          
          
           
          
          
          自己ベストでした♪
           
          
          
           
          
          
          こんなに気持ちよくできたのは、河原でもなかった・・・
           
          
          
           
          
          
          満足です!
           
          
          
           
          
          
          周りが、「全然なってない」と言おうが、「残念だったね」と言おうが、点数が散々であろうが、
           
          
          
          実際の評価は可もなく不可もなくだったが、私的には大満足です!
           
          
          
          本番で練習以上の出来だったことは、大成功でしょ。
           
          
          
           
          
          
          会場で、私の表演を見ていた方が声をかけてくださった。
           
          
          
          「よかったですよ」「お世辞じゃないですよ」「もっと、点数が高くてもよさそうなのに」・・・
           
          
          
          嬉しいです!
           
          
          
          アイ先生はせっかく褒めてくださってる方を前に「全然なってない!」と・・・
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
          
          
          <お疲れさま会>
           
          
          
          大会が終わって、教室から今回出場したメンバーで飲んだ。
           
          
          
          実に楽しかった。そして、私は上機嫌だった。
           
          
          
           
          
          
          いっしょに出ていた、タカくんは飲みながら「全国大会に行きたい」としきりに言っている。
           
          
          
          「代表者が病気になって繰り上がんないかなあ」とまで。
           
          
          
          だけど、タカくん、ごっついスニーカーで表演しようとして、注意されてたじゃない?
           
          
          
          技術うんぬん以前の問題だよ・・・。
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
          
          
          <心 境>
           
          
          
          大会に出場を決めた人の考えは「千差万別」だと思います。
           
          
          
          タカくんのように全国大会を目指している人、大会の雰囲気を楽しみたい人・・・
           
          
          
          上位の成績になれるよう努力を惜しまない人・・・
           
          
          
           
          
          
          私は・・・
           
          
          
          自分を試してみたかった人
           
          
          
          でも、実際参加してみて、正当に評価してはもらえない大会だということもわかった。
           
          
          
          やっと、アイ先生の言ったことが理解できました。
           
          
          
          アイ先生はその不公平をはねのけるだけの実力がある。努力して培ってきたお人です。
           
          
          
           
          
          
          私は・・・
           
          
          
          正当に評価されない内輪の大会なら出場する意味がないのでは、と考える人
           
          
          
          大会で認められるように、そこで良しとされる動きをマスターすることができませんし、マスターする気もありません。
           
          
          
          私は、根性なしです。
           
          
          
          正当に評価されそうな全国大会へ行けないのは残念だけど、仕方ありません・・・。
           
          
          
           
          
          
          なぜなら・・・
           
          
          
          大会の成績優秀者の動きは、私の目指す太極拳ではないから。
           
          
          
          基本、太極拳は点数や勝ち負けで判断できるものではないと思っているから。
           
          
          
          敵は他人ではなく、自分だから。
           
          
          
           
          
          
          それでも、勝てないとわかった上で、参加するのも悪くないと思う。
           
          
          
          「自己満足でいいじゃないか」「誰にも認めてもらわなくてもいいじゃないか」と
           
          
          
          達観できれば、大会を楽しめるのではないかと。
           
          
          
          それに、単調な一年に目標があることで、気が引き締められたりすると思うし。
           
          
          
          「井の中の蛙」脱却につながればいいのではないかと・・・・。
           
          
          
          そうはいっても、出場したらしたで、無欲ではいられなくなるだろう。
           
          
          
          大会で成績をあげるには、大会用の動きをマスターしなければならない。
           
          
          
          これこそが、問題の根源だ、と私は思う。
           
          
          
           
          
          
          本来、どのような動きであっても(大会用でなくとも)いいものはいいはずだし、見てる人を感動させられるはずだ。
           
          
          
          しかし、それは大会では認められないのだ。
           
          
          
          大会は祭典だと思って楽しんだが勝ちってルールはどうだろう?
           
          
          
          私は、「勝ちたい」だけど「大会用の動きはちょっと・・・」の矛盾の中で、「自己満足」を追いつづけるのだろうか・・・
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
          
          
          <ダメおしの一言>
           
          
          
          ひとりで自己満足に浸るより、そりゃ、たまーーには褒められたいです。
           
          
          
          ひとりで河原いって自主トレばっかりしてるより、たまーーーには人前にでて、
           
          
          
          中国服着て打つのも気分転換になるし、励みになるよね。練習ばっかで本番がないんじゃ、つまんない・・・
           
          
          
          私の大会出場のきっかけなんて、実のところこんなもん・・・
           
          
          
           
          
          
          ともかく、この日のために練習してきた過程は無駄にはならないと思うし、本番の表演は満足の出来だったし、
           
          
          
          私的には初めての大会を存分に楽しめました。
           
          
          
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
          
          
           
          
          
            
          
          
           
           
          
           
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